Magnificat
122 × 162cm
oil on canvas
2012
震災のあと、身体が揺れていることに敏感になってしまいました。脈搏つ血汐と拍動がゆくりなく出会うときそれはやってきます。心ともなく周囲の蕩揺を確認してみますが心の顫動は消去できません。「マニフィカト」はキリスト教聖歌の一つです。新約聖書の「ルカによる福音書」にあるマリアの祈りがテキストになっています。受胎告知のあとマリアが神を称える祈りです。

2012_10/3
視覚的イメージと言語的、観念的イメージは制作当初から存在しているが、出来上がったものとは関係無い。漠然とした最初のイメージは完成形にはならない。根拠を考えてしまうと手が動かなくなる。何を描いているのかよくわからない。描く根拠すらないけれど、描くことしか出来ないから描く。
絵画を作る為に写真を撮っている訳ではなく、絵柄を決められないから写真を使う。四角の画面の中で構図やプロポーションを構成していく時間が勿体ない気がしている。悩んでいるといつまで経っても描けない。だから手っ取り早く写真を使う。描きたいイメージの写真を撮るのではなく、撮られたものの中から視覚的イメージの強いものを選ぶ。
制作中に作りたいのもが見えてしまうとその先の作業に面白みが感じられなくなり、いっそ誰か他人に任せてしまいたいと思う。そのあとは、自分にとってもはや別の作品と言ってもいいくらい別物になっていってしまう。
色も含めて形を決める。彩色は描くことの一部。自分は使う色の範囲(レンジ)が狭い。これは絵画でも画像でも一緒。
自分の視点を正直に描けたらいいなと思う。さまざまなものを丁寧に伝えていきたい。

works

前の記事

works

次の記事